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先般、社会保障と税の一体的改革を目指すとして、首相を本部長とする「政府・与党社会保障改革検討本部」は、6月までに結論を出すことを明らかにした。
改革の主要な論点は、
①基礎的な年金の財源問題
②世代間の不公正の是正
③少子化対策や子ども手当の扱い
④医師不足や介護の担い手不足の改善
⑤社会保障費
⑥社会保障費の効率化や自然増の抑制
である。
また、国民負担のあるべき論議として、
①税と社会保険料の負担増のバランス
②消費税引き上げの幅と時期
③法人税、所得税、相続税などの抜本改革
④国民負担増に伴う低所得者対策
等もまとめるとしている。
しかしながら、これらの一連の流れには、いくつかの課題がある。
第一は、改革の目的である。
今、社会保障のあり方を問うことは、21 世紀の福祉国家のあり方を問うことである。
今回の目的は、消費税値上げありきで、その財源を既存の社会保険制度に充当することの意図が覗き、本格的な社会保障改革を図る国家戦略が見えないことである。
その証拠に、検討の方法が小泉内閣時代に官邸主導の「経済財政諮問会議」が、毎年、2000 億円の社会保障経費を削減し続けようとした国民参加の手続きを欠いた手口と酷似している。
第二は、改革の視点である。
今、社会問題化している高齢者不在問題、無縁社会、自殺、貧困、うつ病の増加、児童や障害者虐待、いじめ、家庭内暴力、介護に伴う虐待や殺人、高齢者、知的障害者の刑余者の再犯問題等の背景にはグローバル経済問題があり、既存の制度の対応では限界を超え、新しい革袋の新社会保障制度の確立が急務である。
これまで公表されている列挙された作業の検討項目からはその視点を含むとはとても思えず、この現代社会の緊迫したニーズを掬い取る視点を明確にすべきである。
第三は、社会保障政策はどこの省が担うかである。
1950 年の社会保障制度審議会の社会保障の定義は、
①社会保険
②公的扶助
③社会福祉
④公衆衛生
から構成され、1995 年の勧告で
⑤介護保険
が、さらに現代は
⑥雇用
⑦教育
⑧住宅
⑨家族
⑩地域
⑪文化政策
等の領域に及び、多省に渉る政策として大胆に構想されるべきである。
しかし、今回の論点は、このうち「社会保険」を所管する一省の財源確保に限定した感がある。
そこで提案がある。
第一に、
改革の目的は、究極には国民の安心な生活保障を憲法25 条の生存権、13 条の幸福追求権のもとに築き、国家の安定を図る社会保障政策を含む社会政策の確立にあることを明確にすべきである。
第二に、
社会保障政策の樹立は国民の参画を必須とすべきである。これからの社会保障を問うことは、福祉国家と福祉社会のあり方を問うことである。
このため、国民、当事者、学識経験者、学会、経営者団体、専門職能団体、基礎自治体等が参加した「新社会保障制度審議会」を復活し、英知を結集すべきである。
第三に、
社会保障の財源確保を多元化すべきである。
消費税の検討のみならず、各種税制に福祉税分を位置づけ、例えば相続税や固定資産税のうち数%を福祉目的に振り向けるとか、またわが国の1400兆円余の預金資産が、経済の活性化に寄与していない現状から、オランダのように年収の2.1 倍以上の預金には、「フロー資産税」(仮称)を新たに設けることなども検討されてよい。
第四は、
ワンストップサービス方式を原則とする「新社会保障事務所」(仮称)を設置すべきである。
政策の実現は専門技術の確保にあり、複合化、連鎖化する問題に重層的に対応する社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士などのソーシャルケアサービス従事者を任用し、社会福祉法改正を図るべきである。
第五は、
社会保障以外の既得権をそぎ落とす合理化にもっと真剣にならなければ消費税増税の議論には国民は納得しないだろう。
民間企業であれば当たり前の人件費の倹約、合理化がさっぱりすすんでいない。
また公務員制度全体の人員削減や給与の削減、国会・地方自治体議員の定数削減と給与の削減等も同時に実施すべきである。

2011年2月号 日本ソーシャルワーカー協会会報 第71号
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2011.03.08 Tue l 社会福祉はこれでいいのか l コメント (1) トラックバック (0) l top

コメント

財源の確保
社会福祉に関する財源の確保には、宗教法人優遇税制を見直し、概ね5%程度開きがある一般法人との税制格差を2%程度まで圧縮し、宗教の名の下に得ている「利益」を社会福祉目的税として課税する事で解決できると思います。

社会福祉目的での「優遇措置」の見直しに反対する宗教法人であれば、その団体は利益目的に宗教法人を利用しているだけなので「脱法行為」である事となり一般社会から非難されるでしょう。
2011.07.23 Sat l 通りすがり. URL l 編集

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