上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top
過日、ストックホルムにおいて、3つの国際会議が開催された。
116か国から2500名余の参加があり、盛会のうちに終了した。
今回のテーマは「ソーシャルワークと社会開発~活動とインパクト~」であった。
このところのグローバル化の進行と加速化する文化、宗教、価値観などの多様化、個性化によるダイバーシティ現象は混沌とした世界情勢の反映で、それらを彷彿とさせるソーシャルワークの研究実践報告が随所に見られた会議でもあった。
ところで、国際ソーシャルワーカー連盟の方では、2000 年に採択された国際定義をめぐって改訂・改革の声が提起されていたが、上記の情勢も含めて検討・吟味は先送りされることになった。
一方、国内で市販されている社会福祉の書物やテキストには、この国際定義が引用され、周知のものとなっている。
しかし、今ソーシャルワークは社会福祉のあらゆる領域において、その実質上の存在意義が根本的なところから問われている。
それはソーシャルワークの有用性と存在価値そのものを問う議論であると同時に厳しい評価でもあるといえる。
だが、残念なことにこの定義をめぐる議論は一部の関係者のみの検討に終始している。
別言すれば、日本のソーシャルワークが国際的な水準とは、大きな懸隔がるという認識なのか、それともこの定義に記述されている基本的枠組みを具象化していくことに困難があるとして認識されているのかは曖昧であり、これをめぐる提言や議論も不活発である。
学術会議では、すでにソーシャルワークが機能するために必要な社会システムの構築と造成についての提言を行っているが、反応は捗々しくない。
この背景には様々な要因が絡んでいるが、現場では、理論と実践との関係の整合性やフィードバックシステムのあり方が深く関係しているように思われる。
つまり国際定義のキーワードとなっている専門職、改革、理論の利用、個人と環境との関係等などに関する各国、各圏域ごとの解釈の相違があり、共通語でありながら、解釈の側面で凡そ共通認識に欠けている。
その背景には、一方におけるグロ-バル化による普遍化、共有化の動向と同時に、先述のようなにダイバーシティが加速度的に進行し、基本的枠組みをめぐるパラダイムが危機に瀕している。
さらに実践と理論を左右する実践的な科学の合意形成が難しく、ソーシャルワークの内部における共通性、等質
性、普遍性の深化を妨げている。
別言すれば、ソーシャルワークの近接領域に対する独自性、固有性、排他性を曖昧にし、実践活動が準拠すべき理論や科学に仕方について、「人間行動」と「社会システム」理論の応用に留めているところに大きな課題がある。このままでは過去1 世紀続いてきたソーシャルワークの科学化や理論化への努力を停滞させることになりかねない。
あえて誤解を恐れずに言及すれば、ソーシャルワークの理論と実践に通底する「実践的な研究方法論」が未成熟であることに起因すると考える。
つまり約1世紀余の間、ソーシャルワークの基礎理論は諸科学の知見と法則の応用に終始し、内発的、自生的な実践的研究方法論が生成・構築できなったことによるのではないか。
従って隣接諸科学に知見や法則に依拠する理論でソーシャルワークが組み立てられ、モデルとして現場実践に応用されていくのが一般的である。
この閉塞感や依存体質から脱却するためには、新たな発想を取り入れた実践的研究方法論の生成が希求されている。
それには、伝統的な応用科学としての研究方法、実践を科学化するアプローチ、利用者ニーズの論理化などを弁証法的に展開する方法とこれら次元の異なる成果を新たな発想、開発、発見、発明をもたらす「触媒」を通じて融合化する作業に取り組まなくてはならない。
こうした内なる努力によって今後は隣接諸領域に対して、寄与し、貢献できるようなソーシャルワークの新たな構築が期待されるところである。
この暴論ともいうべき提言について忌憚のないご批判とご教示を期待するものである。

2012年8号 日本ソーシャルワーカー協会会報 第80号
Copyright (C) JASW All Rights Reserved

2013.10.19 Sat l 社会福祉はこれでいいのか l コメント (0) トラックバック (0) l top

コメント

コメントの投稿












トラックバック

トラックバック URL
http://jasw.blog61.fc2.com/tb.php/28-c74b36ac
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。