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先月9月東京で開催された恒例の社会福祉公開セミナーは、社会福祉関連学会の一翼を担う日本ソーシャルワーク学会との共催によるものであった。
現在わが日本ソーシャルワーカー協会は福祉4団体の職能団体と位置づけられている。
学会と職能団体が共催でセミナーを開催することは他ではあまり聞かない。
日本ソーシャルワーカー協会の創設は1959(昭和39)年であり、当時は福祉関連の学会も少なく職能団体も殆どなかったので、その頃の協会は学会と職能団体を併せもった役割と機能を果たしていたともいえる。
その後協会は諸般の事情により活動が中断された時期もあり1983年に再建されたが、当時事務局長として懸命に協会を支えて下さったのは筑前甚七先生であった。
今ではそのお名前を知る協会員も多くはないであろう。
久しぶりに書斎を整理していると先生がお書きになった、あるソーシャルワーカーのエッセイと副題がついた「デクノボウの挑戦」という著書が目についた。
自らを謙遜されて愚直で役に立たない者という意味のデクノボウという表現を用いられたが、ご本には協会とソーシャルワーカーの存立意義、使命、期待等々味読すべき先生の思いが散りばめられている。
また、再建後7年経った頃の協会員はおよそ2000人であったことも記録されている。
その頃と比べて福祉関連の学会や職能団体の数が飛躍的に増加した現在、専門化・細分化された学会や団体に枝分かれして所属し、その結果協会の会員数が減少したのは事実である。
しかし、かって学会と職能団体を併せもった役割と機能を果たしていた由緒ある協会である誇りと使命はこれからも保持しなくてはならない。
この会報の題字は同志社大学名誉教授の嶋田啓一郎先生の筆によるものであり、逐一お名前は挙げないが永年にわたり日本の社会福祉の主柱を支えておられた多くの著名な先達から貴重な教えに導かれてきた協会はいわば老舗
である。
しかしながら名門の老舗といわれた企業や団体が暖簾のみを誇り、奢り高ぶりが先行して倒産する例を引くまでもなく、常に協会が果たすべき使命を謙虚に振り返らねばならない。
先月の社会福祉公開セミナーでは、国によって様々な事情がありストックホルムで開催された今年度のIFSW総会でもソーシャルワークの国際定義については継続審議となった経緯が報告された。
しかしクライエントの最善の利益を守る立場を保持し行動するソーシャルワークの基盤においては共通部が多く存するはずである。
国際定義の作成に関わりご苦労下さっている関係者には敬意を表するが、協会の使命としても岡本会長が前号で明示された概念を基に一定の見解を提示する努力が急がれる。
定義がさだまらない間にもソーシャルワーカーの援助を必要とする様々な現場があり、その現場で苦悩する多くのソーシャルワーカーがいる。
ソーシャルワークの道しるべたる定義は崇高かつ普遍であるべきだが、厳しく複雑な現場ではときに高邁な原理や定義は文言のみが独り歩きしワーカーには空疎に響くこともある。
呪文のように高説を繰り述べるだけでは悩める若きソーシャルワーカーには届かない。
現に公開セミナーで「定義を具体的にどのように実践しているか」に関する報告が伝えられたが、会場から若き
ワーカーの見識の低さを叱責する意見が発せられた。
日頃の支援活動では原理や定義は深く意識されることはない、しかし困難事例に直面し右か左かを決するときに真価が問われるのである。
幸い老舗である協会には、先達からソーシャルワークの真髄を学び豊富な実践と経験を積まれた多くのワーカーがいる。
先輩ワーカーは国際定義についても積極的に提言する一方で、次代を担う悩める若きソーシャルワーカーに援助技法の奥義を噛み砕き、生の声と活きた言葉で伝える大きな責務がある。

2012年10号 日本ソーシャルワーカー協会会報 第81号
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2013.10.19 Sat l 社会福祉はこれでいいのか l コメント (0) トラックバック (0) l top

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